エルダリーガーデンでは、リハビリを経て従来の生活にできるだけ近い状態でご自宅へ復帰して頂けることを目標に、起床から就寝までの中で、移動や移乗動作といった生活リハビリを取り入れ、一連の流れを他のご利用者さんらと一緒に過ごすプログラムを中心にしています。
こういった流れを中心に、疾患だけでなく、個々の生活暦や趣味、嗜好など、様々な視点から、他職種の専門スタッフらが集まって計画する「ケアプラン」と、ご本人やご家族のご意向によって、利用者さんの生活をケースバイケースで組み立ててコーディネイトできるよう努めています。
ここでは、その1つの例をご紹介致します。
8:00〜
朝食です。
職員の呼びかけで食堂へ移動します。
ご自分で移動できない方も介助にて車椅子へ移乗していただき、ベッド上でなく、なるべく食堂で皆さんといっしょに楽しい雰囲気で食べて頂けるようにします。
写真はご自分で摂食が困難な方への食事介助の様子です。
利用者さんのペースにあわせて食べてもらえるように留意しています。
10:30〜
個々に応じたリハビリを行います。
リハビリの形態には、個別に療法士が1対1で行う「個別リハビリ」と集団で集まって体操や作業療法を通して行う「集団リハビリ」そして当法人特有のリハビリである「プールリハビリ」「生活リハビリ」があります。
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作業療法
作業療法の様子です。
写真は分かりにくいですが、左側は「ペグボード」というパズルのようなものをしています。右側は輪投げに挑戦中。
このほか、「台拭き」や「お手玉」など、遊びや日常生活に直結した動作を取り入れて行うのが作業療法です。
専門職である作業療法士(OT)さんの下で行われます。 -
集団リハビリ
ホールにてみなさんで一緒に行われる集団でのリハビリの様子です。
(写真は「これからはじめますよ!」というシーンです)集団にはなっていますが、起立動作や移乗、立位保持、平行棒など、個別に違うリハビリプログラムをそれぞれに行っています。
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立位訓練
個別の立位訓練の様子です。
麻痺や拘縮があると、ご自分では椅子やベッドに移りにくくなります。
このような時は、自分足で少しでも自分の身体を支えられるようリハビリすることがとても大切です。理学療法士(PT)さんが身体を支えられるようリハビリする事がとても大切です。
理学療法士(PT)さんが身体の機能を分析し、お一人お一人にあったリハビリを提供しています。 -
認知症リハビリ
こちらは言語聴覚士(ST)による、認知症リハの様子です。
失語症や認知症の方など、脳の高次機能のリハビリには、STが問いかけるように話しかけ、応えを引き出す手法が広く使われます。写真は、利用者さん自身の昔話などを自由に語ってもらうようにする「回想法」の1場面です。
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嚥下訓練
脳梗塞後の嚥下(飲み込み)障害により、ムセや咳き込みが起こるようになると、食物が肺に入って感染する「誤嚥性肺炎」が起こりやすくなり、生命にも関わります。
このため、嚥下障害のある利用者さんには、言語聴覚士(ST)による嚥下訓練が行われます。また、看護師、介護士による口腔ケアや食事介助、管理栄養士によるとろみ食の提供、そして医師による肺炎球菌ワクチンの接種など、スタッフらがチームになって取り組む「チームリハ」を実践しています。
写真はSTによる言語リハビリ技法のひとつ、アイスマッサージの様子です。
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生活リハビリ
ベッドや布団に寝た状態から起き上がり、徒歩、歩行器、車椅子に乗るまでの移乗動作といった生活の基本動作には、ご本人に残されている身体の能力(残存機能)をどれだけ活用できるかどうかが大きく関係します。
この残存機能を引き出すためには、「できるのに、していない動作」に、リハビリ専門スタッフらが焦点を当てて、看護・介護スタッフが中心になって、移乗時に訓練を「生活リハビリ」の一環としてとらえ、積み重ねていきます。
12:00~13:00
昼食です。
もちろん利用者さんの状態に合わせて、減塩食や糖尿食、きざみ食や流動食などを提供しています。
経口摂取が難しい方も、個別にとろみ、ゼリー食や嚥下訓練を行い、なるべくおクチから食べていただけるよう工夫しています。
14:00~17:00
日中は積極的に離床(ベッド上で寝かせきりにしない)をすすめています。
内容は日によって様々ですが、レクリエーションやリハビリ、行事、入浴などを行います。
17:00~19:00
夕食のため居室から食堂へ移動。
エルダリーガーデンでは、1日の中で、なるべく多くこの「移動」と「参加」の機会を作ります。
これによって、入所中でも
「寝かせきりにしない」
「小集団でも社会参加の機会を作る」
「入所中でも文化的な生活を営む」
のと同時に、この「移動」という動作自体を生活リハビリとして位置づけています。
たとえ時間がかかっても、職員は最小限の介助を行い、励まします。
21:00~
水分補給をしていただき、消灯です。
おむつを着用されている方については、夜間頻回に起きてもらってのおむつ交換はなるべくせず、ゆっくり休んで戴きたいという観点から、紙おむつは吸収量が多く、高機能なものを導入しています。 定期的な体位変換は、スタッフがやさしく行います。
ゆっくり休んで、またやってくる明日に備えましょう。。